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徒然日記 Vol 709

汽車が走る

 今現在、九州で唯一走っている蒸気機関車が今月末で、運休となる。ということで、3月2日(土)の午前中に、職場の子どもたちと一緒に、最後のSLの走る姿を観てきた。走る汽車を見ながら、遠い日の様々な記憶が蘇った。60数年前の小学2年生だったろうか、写生大会で上熊本駅まで行き、汽車の絵を描いた。その絵で、表彰された記憶がある。同じ頃に、従妹の姉さんと一緒に、母の実家の津奈木で、汽車の発車に乗り遅れて客車に乗れずに、先頭車両のデッキに飛び乗り、トンネルの中で煙にまみれて、息ができずに死にそうになったこと◆高校生の頃、豊肥線を走るSLに乗って、高森の実家に泊まったこと。などを思い出した。そして、名古屋で暮らす大学生の頃に乗った、東京から熊本まで走っていた夜行列車の「急行阿蘇」の記憶も。大学時代に幾度か急行阿蘇に乗り、熊本で乗り換えて鹿児島の実家に帰った。名古屋発が夜の10時ごろだったろうか?そして、鹿児島にはお昼頃に着いていたような◆年末ともなれば、ほとんど満席で、通路から入り口までびっしりと多くの人が立ち尽くして、乗っていた記憶がある。あれは、夏休みのお盆の時期だったろうか、年末と同じように、たくさんの人がひしめき合い、夜中まで座席には座れなかった。それでも、山口あたりで、やっと、四人掛けの椅子に座ることができた。そして、福岡に近づく頃、四人の椅子が二人に。向かいには同世代の女性が座っていた。お互い、相手のシートに足を延ばして座り、いつしか会話が弾んだ◆その女性は、東京の病院で看護師として働いていて、長崎に里帰りをし、その後、九州を旅する、と話した。別れ際に私の住所と電話番号を渡した。後日、夏の日の午後に彼女が私の実家を訪ねて来た。その日は、一緒に近くの川まで歩いて行き、川の中に膝まで入り、水を掛け合ったりした。あの夏の日の午後の晴れ渡った夏の空の入道雲や、水面の輝きは覚えているが、彼女とどんな話をしたのかは、記憶が無い。そして、その後、二年ほど文通をした。走り去る汽車を見ながら、もう二度と、汽車に乗ることも、その走る姿も見ることはできないかもしれない、と思う。寂しいけれども、懐かしいいくつかの記憶の中で、いつまでも汽車は走り続け、汽笛とレールの音と共に、その時々の景色や、出会った人たちを、私は、けっして忘れることはないだろう。

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