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徒然日記 Vol 650

少しずつ世界を広げて

 孫のR男は、今年、高校を卒業し、4月から、下通にあるケーキ屋さんの地下のカフェで働き始めた。何故か、店内も厨房もすべてが女性の中に、たった一人の男性である、孫が。いずれは、厨房に入るが、経験のために、店内でウエイターの仕事やレジ打ちなどをしている。高校時代の二年間、学校には内緒で、近くの中華の店で働いていたので、経験もあり重宝されているようだ◆ただし、コーヒーやパフェなどを運ぶ仕事は、ラーメンとは違い、お客さんも女性が多く、苦労しているようだ。ある日、コーヒ―をこぼさないようにと、手を震わせながらカチャカチャと音を鳴らして、テーブルの女性のお客さんに渡そうとしたところ、女性が「大丈夫よ」と優しく言って、手を差し伸べてくださった、とか。ある日は、女性スタッフに「私はいくつに見える?」と聞かれて「30~35歳かな?」と答えて「え~私27歳よ」と言われてしまった、とのこと。いつかは、片づけが納得できないからと、一人でやり直して、二時間ほど遅く帰って来た◆先日は、定期券を失くしたと言って、パニックになり、夜中に部屋中をひっかきまわして見つからず「あ~、お金がない。仕事に行けない。休まなきゃ」と言う始末。まだまだ子どものR男。それでも、職場では皆から可愛がられているようで「楽しい」と言っている。休日は、スマホで、ほとんどゲームをしたり、唄を歌ったりして過ごしている。この先、少しずつ世界を広げて、一歩ずつ大人の階段を昇っていくのだろう。にしても、いつか階段から落ちるのではないかと、心配でならない。

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