徒然日記 Vol 652
猫八匹と猫大好き女と猫大嫌いな男の行く末は
名古屋の大学時代に知り合った友人で、今は神戸に住む、F男とK女夫婦がいる。卒業して、45年を過ぎたが、今も、時々会ったりもしている。私の結婚披露宴にも来てくれて、新婚旅行にも二人一緒に同行し、福岡の居酒屋で4人で祝盃を上げた。阪神淡路大震災の時には、翌年にお見舞いも兼ねて、二人の自宅を訪ねた。北海道の一人旅の時も、立ち寄って泊めてもらった。そして、熊本地震の際には、すぐに二人で駆けつけて、数日間、片づけ等を手伝ってくれた。先日、K女に、私の自作のスマホスピーカーを送るからと、連絡して話をした。その時に、F男の話になった。神戸のある駅で、白髪の老人が、紙袋を持って、ぼーっと立っていた。浮浪者かな?と思ってよく見たらば、わが連れ合いだった、と言う。笑ってしまった◆「それが彼のライフスタイルじゃん」と言う話から、大学一年生の時の話をした。(ちなみにK女は一年下)。彼は大学に来る時に、いつも、ぼさぼさの長髪で、夏も冬も、真っ黒なロングコートを羽織り、その背中には真っ赤なランドセルをしょって歩いていた。異様なその姿に、最初、彼のことを知らない私たちは「絶対近づかんとこ」と決めていた。就職した会社の初日の朝礼の雰囲気が嫌で「こりゃ続かん」と、一日で退社した男だ。住まいが無く、即席ラーメンを持って、クラスの知り合いの所を泊まり歩いた男だ。バイトで、朝から何も連絡が無いまま「おはようございます」と、夕方やって来る男だ。なのに、だからか、今に至り、一生の友となった。なってしまった◆赤いランドセルの話をして「今も変わらないF男じゃない。それが彼でしょう。ある意味、素晴らしいこと」と言うと、K女が「うそ~。赤いランドセルの話は聞いたことがあるけど、それって彼が芝居をしていた時の、役柄の話じゃ~?」と言う。今頃になって、それが本当であり、その姿で一年間ほど大学に通っていたことを、45年を過ぎて初めて知ったのだ。「ウソ~知らんかった。だまされた」と言うK女。腹を抱えて、笑ってしまった。何も変わらず、あのまんまで生きているF男と暮らすK女に、私は「今頃になって彼のライフスタイルが変わっていないことに気づくなんて、この長い間なにしてたの?」とたしなめた◆今や、F男は、発達障がい者の自立支援のための事業所の社長だ。あの赤いランドセルの男がだ。私が議員になったこと以上に、ある意味、凄いことだ。中古の住宅を買った翌年に地震に遭遇し、家の真下に活断層が走っていて、真ん中から上下に亀裂が入った家で暮らし、子どもたちも自立し、孫もいる。そして今、K女は、富山の実家から猫8匹を連れて帰るとのこと。猫が大嫌いなF男は、一体どこで生活するのだろうか?「よういちが今度来た時、俺はベランダで生活しているかも?」と言う、F男が心配でならない。一先ず、スマホスピーカーと一緒に、議員として使っていた、高級なカバンを一緒に、送るつもりだ。それにしても、今さらながら、「なんて夫婦だ!」と連れ合いと爆笑しながら、猫八匹と猫大好き女と猫大嫌いな男の、これからの行く末を心配する、今日この頃だ。
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コメント
ようちゃん
選挙 お疲れ様でした。
頼まれれば嫌と言えない私たち世代、
気持ち よく分かります。
そろそろ自分の為に生きたいとも。
きっと ようちゃんのことだから、これまでの人生、考えて、考えて凄く沢山頑張って来たのだと思う。
そしてひと休みしたら また。考えて、考えて歩みを進めて行くんだろうね。
私も私の小規模人生頑張りたいです。
投稿: コンキ | 2023年4月27日 (木) 15時56分
コメントありがとう。それぞれの人生の節目節目に、多くの人に支えられて生きてきました。議員であろうがなかろうが、洋ちゃん、ヨウイチ、フクナガって言ってくれる、人たちがいる限り、私は大丈夫。いつの日かの再会を夢見て、てくてく歩いて行きます。これからも。
投稿: ようちゃん | 2023年4月27日 (木) 17時34分