徒然日記 Vol 604
友は逝く いずれ我が身ぞ 蝉しぐれ
昨日、20年振りだろうか、造形作家のT君に会ってきた。終活ということで、奥さんの実家の倉庫にある、様々な造形作品の片付けのために、東京から、画家である奥さんと一緒に、一カ月ほど帰ってきている。奥さんとは、お二人の披露宴以来ということで、実に40年振りだ。片付けの最中に、披露宴に参加した人たちの寄せ書きが出てきたということで、見せてもらった。私や友人や恩師のN先生などの寄せ書きを読みながら、遠い昔のことを懐かしく思い出した◆二次会では、二人のために、自作の「金峰山の唄」を、ギターで歌ったとのこと。自分では、ほとんど記憶に残ってなく、今さらながら、人前で自作の唄を歌ったなんてと、恥ずかしく思った。彼の造形作品は、いずれも素晴らしい。どこかできちんと展示されることを願っているが、それが叶わなければ、廃棄することになるという。私からは、どこにも展示できない作品があるならば、「高森で預かってもいい」と伝えた◆最後は、グータッチで別れた。何故か、涙があふれた。その後、一昨年に亡くなった、K君のお母さんに会ってきた。ご主人が亡くなった葬式以来なので、実に20数年ぶりのことだ。小さくなってしまわれた98歳のお母さんに会うなり、涙が止まらなかった。K君は、一昨年の12月にコロナワクチンの接種の翌日に、自宅のソファーで独り、眠るように亡くなっていたそうだ◆コロナにかからないようにと受けた、ワクチン接種で亡くなるなんて、皮肉な話だ。本人も、親より先に逝くなんて、思ってもいなかったことだろう。お母さんに「K君の分まで、頑張って長生きしてください」と伝えて別れた。近くの公園では、蝉の鳴く声が。いずれは死ぬ身と知ってか知らずか、蝉たちは地上での一週間程を精一杯に生きている。
↓中学時代の恩師の寄せ書き ↓T君と作品(一部)
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