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徒然日記 Vol 551

この国は何処に

 先日、久しぶりに10名以上での飲み会があった。場所は、五年前の熊本地震で被災し、最近リニューアルオープンした城彩苑。名前の通り、会場の窓からはお城が見える。お堀の石垣には、いくつかの家紋が映し出されていた。その会で、新人の弁護士の研修を担当しているS弁護士から聞いた話に驚いた◆若手の弁護士は、いずれも有名大学出の方たちだが、彼らのほとんどが新聞を読まないとのことで、研修では、新聞を読むことの大切さに加え、新聞記事の読み解き方などを教えているとのこと。また、過去の歴史の中での、様々な事件について質問をすると、いつ頃どのような事件だったかは、きちんと答えることができるが、その事件の歴史的・政治的な背景や問題などについては、まったく答えられない、とのことだった◆更には、今後どのような所で働きたいかと聞けば、ほとんどの新人弁護士は、「企業の繁栄のために働きたい」と答えるそうだ。「社会的な弱者のために働きたい」と答える人は皆無に等しいらしい。優秀な成績で司法試験に受かった、エリート集団の弁護士の卵の方たちの、その実態に驚いてしまった◆体制側に立ち、保守的な上昇志向の弁護士たち。頭はいいのかもしれないが、思想もなく、食いぶちとしての弁護士稼業をめざす若者たちの存在。そんな若者を創り出している日本の教育とは、一体何なんだろう?国政に関わる官僚も同じような実態なのだろうか。であるとするならば、この国は、一体この先、何処に向かおうとしているのか、未来を思うと背中が寒くなる。窓の外の美しいお城の風景を観ながら、深いため息をつくしかない私だった。

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👇 イチョウと加藤清正の像

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