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徒然日記 Vol 552

苦しいこともあるたもた

 三人の男兄弟の長男に生まれて、68年。下の二人は順番を間違えて、僕より早く逝ってしまった。時々、二人が何故この世にいないのかと切なくなり、胸の中をザワザワと風が吹く。それでも、二人との楽しかったことを懐かしく思い出したりして、この先、二人の分まで生きてやろうと思う◆すぐ下の弟とは、歳も近かったこともあり、子ども時代は、よく取っ組み合いの喧嘩をしたものだ。それでも、兄弟だから、いつの間にか仲直りしていた。彼は音楽が好きで、ギターも私より早く覚えて、当時のフォークソングなどを演奏し歌っていた。私が高校生の夏休みに、彼から吉田拓郎の「ある雨の日の情景」のイントロ部分の演奏を教わった。三日間みっちり教え込まれて、彼並みに弾けるようになり、一緒に演奏し歌ったものだ。今思えば、彼と一番親しく楽しく過ごした日々だった◆一昨年亡くなった5歳下の弟は、歳も離れていて一緒に暮らした年数も少なく、ほとんど喧嘩もしたことが無かった。彼は子どもの頃から几帳面で、ひょうきん者だった。彼が小学2年生の頃だったろうか、くだらぬダジャレを言ったりして、家族を笑わせながらトイレに入った。その後、ギャーという叫び声。慌ててチャックを締めて、おちんちんの先をチャックに挟んでしまったのだ。弟は「痛い痛い」と泣きじゃくり、母は笑いながらハサミでチャックを切り取っていた。その横で僕たちは笑い転げていた◆ある時、彼が「ひょっこりひょうたん島」の歌を歌ってくれた。歌詞を間違えて覚えていて「苦しいこともあるたもた、悲しいこともあるたもた」と歌っていた。「『あるたもた』じゃなくて『あるだろさ』だよ」と教えたが、頑固に「あるたもた」と歌っていた。歳を取ると昔のことをよく思い出すというが、生きながらえた者として、過去にとらわれずに未来に向けて生きなければならない。この先まだまだ「苦しいことも悲しいこともあるかもしれない」だけど「僕はくじけない泣くのはいやだ笑っちゃお進め~」。

庭の千両とオキザリス

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