徒然日記 Vol 461
肥後の足引っ張りと・・
この二年ほど、市役所の庁舎の建替えの議論が行われている。私たちの会派は、庁舎が老朽化していること、有事の際に防災の拠点として機能できないこと、職員全てが入りきれず他のビルを長年にわたり借りていることの無駄等の理由で、早期立て替えを主張している。しかし、議論の場としての特別委員会で慎重派の議員の数名が、「熊本地震に耐えた現状の建物を補強すれば、しばらく使用できるのでは」という意見で、幾度となく調査が行われている。このままでは、時間ばかりが過ぎ、議論倒れになりはしないかと心配している◆20年ほど前、私が県の職員組合の書記長をしていた頃に、国からの出向で部長の職についていた方が国に帰ることになった。その方の送別の席で、私が彼に、「熊本県に4年間いて、熊本県人の気質についてどうな風に感じましたか?率直な感想を聞かせてください」と尋ねた。彼は「様々な会議に参加して感じたのは、熊本の人は議論が好きで、新しい取り組みなどを提案すると、色々と意見や要望が出て、まとめるのに相当時間がかかった。しかし、物事がいったん決まると、その後の経過等含めて確認されることが少なく、あの議論は一体何だったのだろうか?と思うことが幾度となくあった」と話をされた◆熊本県人の気質としてよく言われるのが「肥後の足引っ張り」と「議論倒れ」だ。私も様々な会議等に出席するが、確かに、彼が指摘するように、相当の時間をかけて議論をし続けて、結論が出た後では、ほとんどの人が何ごともなかったかのように無関心になってしまったり、議論に議論を重ねて、最終的には結論が出なかったりしたことがよくあった。また、肥後の足引っ張りとして、目立った言動の人の意見は、良い意見であっても潰されることが多いように思う。私自身は、どんな会議の席でも、一定の方向性を見定めての質問等を行い、気になる案件はしつこく、いつまでも忘れることなく、機会あるごとに継続して取り上げることにしている。更には、どんな人であっても良い意見であれば耳を傾けるようにしているつもりだ◆本日も庁舎整備に関わる特別委員会が開かれた。庁舎の建て替えをしなくても、現状の庁舎の杭や壁等の強度により、補強すれば充分に使用できるのでは、ということで3000万円ほどかけての調査結果が示された。結果は、現状では次なる地震に耐えることができない強度だった、とのこと。執行部としては、建て替えに向けての議論を早く始めたいところだが、慎重派は、更なる調査を求めているようだ。これまでの調査だけでも6000万円ほどの支出だ。いつまで調査をし続ければ、慎重派は納得されるのだろうか。国に帰った彼は、今や、ある省庁のトップ3にまで上り詰めたようだ。省庁の中では、議論倒れや足引っ張り等が無く、真摯な議論のもと国民のために、様々な施策を推進してほしいものだ。
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