徒然日記 Vol 427
トンネルの先には
5月13日、全国的に新型コロナウイルスの感染も少しずつ収まりつつあり、政府は、39県を対象に緊急事態宣言を解除した。熊本県も、少しずつではあるが三密を避けながら、飲食店や学校や施設等について徐々に開放していくこととなった。やっと、暗い暗い長い長いトンネルから抜け出すことができそうだ。しかし、一挙に人の移動が増加し、集団でのイベント等が行われるとすれば、第二波の感染拡大の危機が待っている◆この三か月近くにも及ぶ、コロナの影響は、計り知れない。先日、近隣の小中学校の校長さん方に会って、話を聞いてきた。長期にわたる自宅待機の影響で、家庭内での親による子どもへのDVや学習の停滞、子どもたちのストレス増大等の話が聞こえてきているという。報道でも、中高生の妊娠相談件数の増加や、児童相談所の児童の入所増等が報告された。また、全国の死者の14 %は介護施設の高齢の人たちという。コロナはジワジワと、子どもたちや高齢者等の社会的な弱者をはじめとして、真綿で首を締めるように様々な影響を与えていく◆100年前には、スペイン風邪の世界規模での大流行で、県内でも45万の人々が亡くなったという。人類は、過去の教訓をきちんと活かすことができたのだろうか?イタリアでは、これまで国策として医療費の削減策として医師や看護師の減員や病院の縮減を行ってきた。結果、今回のコロナの影響で、一時期は医療崩壊となり、多くの死者を出すことになってしまった。報道では、増大する感染者に対して適切な医療サービスの提供ができなかったことについて、現場にいる医師等の苦悩の言葉が述べられた。人口呼吸器等が大幅に不足し、患者のトリアージを行なわれ、多くの高齢の人たちが治療を受けられないまま亡くなってしまった。医療従事者も数多く犠牲となった◆この世で、人の命が何にも増して大切なものだ。治療現場で、命を選別せざるを得ない事態を招いた、その責任は、今後、問われなければならない。更には、命を預かる現場は、医療だけでなく、福祉や教育の現場もしかりだ。私たちは、今回のコロナ感染の教訓を忘れることなく、今後の対策等含めて、後世のためにも、きちんと整備していかなければならない。トンネルを抜けた今、私たちは少しの開放感を得ながらも、二次感染の危機を心に持ちながら、行動しなければならない。
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