徒然日記 Vol 361
ときめく心
若い頃には、色んなことに対して、ときめいたものだ。年を取っても、ときめく心は無くしたくないものだが、薄くなっていく髪の毛と同じように、近頃、少しずつ何かしら冷めていく自分がいて、寂しくなる■2006年の春に一人旅に出て、北海道の西海岸で島の遠くに沈みゆく夕陽を見て、何故かしら嗚咽するほどに泣いたことがあった。あれほどに、心が、というよりも魂が揺らぐような感動を覚えたことはなかった■今でも何故泣いてしまったのか、きちんと説明はできない。あえて説明するなら、「自然の偉大さや美しさに対する感動」「遠くの夕陽の光が、足元まで届き、私だけを照らしているように感じたこと」「ストレスに潰れそうになりながら、一人で旅に出ての感傷」等■いずれにしても、あの夕陽の光を浴びて泣いた日から、心の澱がスーッと消えて、身体が軽くなり、残りの旅を続け、元気に熊本に帰り、そして、前を見て歩き出すことができた。今考えると、あの旅が無かったら、きっと今の僕は、無かっただろうと思っている。これから先、ときめきは無くしても、夢は、まだある。がんばろう。
このコラムを書いてから、あの北海道の景色や、あの時の心情などを思い出して「この胸の」という歌が出来上がった。あの旅から実に、12年。いつか歌にしようと思っていて、やっとできた。
1
遥か彼方の島の向こう
真っ赤な夕陽が沈んでいく
疲れ果てて座り込んだ
岸辺の足元まで光が届く
見果てぬ夢を追いかけて
道標となる光を失くし
重き荷を背負い彷徨って
遠く永い旅を続けた
この胸の この胸の
ときめきは何だ
2
真っ赤な夕陽の眩しさよ
その光の優しさよ
何故だか涙が溢れきて
涙が涙が止まらない
悩み惑うことなど何もない
嘆き悲しむこともない
全てをありのままに受け止めて
また立ち上がり歩き出そう
この胸の この胸の
ときめきは何だ
遥か彼方の島の向こう
真っ赤な夕陽が沈んでいく
涙枯れ果て見上げた空
一番星が輝き始めた
この胸の この胸の
ときめきは何だ
この胸の この胸の
ときめきは何だ
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