« 2016年11月 | トップページ | 2017年1月 »

2016年12月

徒然日記 Vol 287

徳利の夜

 地域の仲間で毎週4日間、武蔵小学校の体育でミニバレーをしていたが、今回の震災で体育館が使えなくなった。それでも、幾人かの方で近隣の施設を探してミニバレーをした。先日は、そのメンバーが集まり忘年会をした■私は毎日のように飲み方が続いていたので、熱燗の酒を注文した。徳利が置かれた瞬間、私の前に座っていたKさん(女性)が「懐かしい」と言われる。なぜ?と聞くと、母乳での子育ての最中に、おっぱいが出過ぎて、乳が張る時に徳利のお世話になったとのこと■聞けば、空っぽの徳利を温めて、徳利の口先を乳首に充てて乳を吸い出したとのこと。徳利の先が平らでないといけないらしく、まさしく私が頼んだ徳利の形がKさんの使っていた徳利と同じ形だった。今は、お乳を吸い出す器機も市販されているらしいが、徳利とは。まさしく、先人の知恵だ■徳利の話を聞いて、私が幼かった頃に、母が足踏みミシンの上に空っぽのミルク缶を置いて、おっぱいを絞り出していた光景を思い出した。まさしくそのおっぱいで、私たち三人の兄弟は育ったのだ。そんなことを思いながら飲む酒は、なんとなくお乳の味がしたような・・・。徳利の夜に乾杯!!

Photo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

徒然日記 Vol 286

昔取った杵柄

 毎年、校区の餅つきがある。すでに30年以上も続いている季節の行事だ。今年は1218()の朝から行われた。自治会の役員を中心に子ども会や老人会からの参加があり、餅をつく人、丸める人など、子どもも合わせて50人ほどで餅を作った■昔は、年末になると、あちこちの庭先から餅つきの音が聞こえていたものだ。私も幼い頃に家族で餅つきをしていた記憶がある。今では、ほとんどの家庭が市販品の餅を買っている。ということで、概ね60代以下の方たちは、餅の作り方や、餅のつき方などを知らないようだ■私は40代まで毎年、親戚の家の餅つきを手伝っていたので、見よう見まねで大方の工程の作業ができる。18日当日も、多くの人が集まったが、年長の経験者に習いながらの餅づくりが始まった。私より年長の大人の方でも餅つきが初めてという人もいた■昨年もそうだったが、今年も私たち家族の親子三代で餅をついた。昔取った杵柄というように、私や息子も、そして孫も上手く餅つきができたと思う。餅をつきながら「せめて、孫が成人する残り8年程は親子三代での餅つきができたらいいな」「長生きしなきゃな」と思ったものだ。

Photo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

徒然日記 Vol 285

とりつくしま

毎晩、酔っぱらってない限り、本を読んでから眠るようにしている。主に文庫本が多いが、毎月2~3冊で年間30冊ぐらいは読んでいるのだろうか?先日読み終わったのは東直子さんの「とりつくしま」。死んでしまい現世に未練がある人の所に、「とりつくしま係」が現れて、何かしらの物(動物や人間以外)に生まれ変われることができるという話。ただし、相手に話しかけたり、「私」だと知らせることはできない■息子を残して亡くなった母親は野球(投手)をする息子が気がかりで、ロージンになり、試合中の息子を見守る。幼くして亡くなった子どもは、好きだった青いジャングルジムになり母親と妹に再会する。夫の使うマグカップになった女性。カメラやリップクリームになった人もいる。本の帯には「やさしさに包まれながら号泣していました」と書いてあったが、涙は一滴も出なかった■その代わりに、何かしらにとりついた死者たちの言葉や、物になって見つめる世界には、しっとりとした輝きと優しさがあり、読後感はすがすがしかった。そして、自分が生まれ変われるのならばいったい何に生まれ変わるのだろうと思った。きっと、母親や連れ合いも気がかりだが、孫たちに関わる何かしらに「とりつく」と思う。「例えば」と考えて、はたと困った。何も思い浮かばない。であれば、生きているうちに孫たちに、大事に一生身に着けるか、使い続けられる物を贈るしかない■鏡・時計・万年筆などと思案するが、いったい何がいいのだろうか?色々と品物を考えながら、行きついて思いついた。大切なのは、私が生きている間に、孫たちにどんな思い出を残せるのか、ということが大事だということに。あの世に行き、例え「とりつくしま係」が来ても、「私は現世に未練はありません。とりつくしまは無い」と言えるように生きなければ。心の中に思い出として、「私」がいればそれでいい。そう思った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

徒然日記 Vol 284

心を育み人を育てる

 被災当初に近隣で起こった二つの出来事が、今でも私の心に魚の小骨のように刺さっている。ひとつは、心臓にペースメーカーをつけた娘さんが、車いすの高齢のお母さんを連れて近くの集会所に助けを求めた時に、入り口で「あなたは町内が違うからここには入られん」と言われて、避難を断られたこと。幸い私にその話が聞こえて、私の車で私の校区の武蔵コミセンに連れて行くことができて、5日後に弟さんが迎えに来て、帰宅された。もう一つの出来事は、ある小学校に避難した知的障害者の青年が、その場所で落ち着かないので、違う小学校に避難した。その場所でも、落ち着くことができず、最初の小学校に行ったけれど、受付の人に「あなたの入れる場所はもうありません」と言われて、避難を断られたこと。この青年とは夜から翌日の夕方まで私と一緒に過ごして後、やっと福祉避難所に行くことができた■車いすの親子も、そして知的障害の青年も、私がいなかったらば、どうなっていたのだろうか?こうした事柄は、色々な所で相当数あったようだ。震災時に困った人たちを助けなかった人たちがいる。その根っこにある物は何だろう?「被災者に寄り添う」「差別と偏見を無くそう」などと言葉にすることは、簡単だ。ではどうしたらいいのだろうか?「相手の身になって考えよう」「一人ひとりを認め合おう」「自分がされて嫌なことはしない」などの言葉が頭に浮かぶ■先日、6年生の孫が友だちとトラブって、腹に膝蹴りをされて、おちんちんから血が出た。病院に行き治療を受けるも、オシッコをするたびに「痛い痛い」と言って泣いていた。夜には、自宅に校長と担任と父親が来て、謝罪があった。膝蹴りをした子は、過去にも何回か孫に暴力を振るってきた。そのたびに、その子も「ごめんなさい」と謝った。これ以上エスカレートしないようにと、連れ合いも息子も「親と子と担任を入れて話し合おう」と孫に提案した。ところが孫は「子ども同士のことだから大人はかまわないで」「そんなことしたら彼がまた、叱られるだけ」「僕は彼と本当の友達になりたい」と答えた■その話を聞いてその夜、孫と話をした。彼曰く「僕も彼も、よくいじめられるとタイ。いじめられたからといって、僕が誰かをいじめたら、イジメはなくならない。僕が我慢すればいいんよ」と言う。思わず彼を拝んでしまった。人に対しての優しさや思いやる心は何処からやって来るのだろうか?それは、道徳教育とかだけで育つものではないだろう。大人でさえ、その心を失くしているこの世の中。泣き虫だけれども、心優しき孫の言葉は、その大人たちの心には、きっと響かない。私の看板には「心を育み人を育てる」と書いてある。大人には見切りをつけて、子どもたちに未来を託すしかないのかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

徒然日記 Vol 283

議会で質問

現在、議会開会中。先日は、一年振りに質問に立った。昨年の登壇では、時間が足りなくなって、質問の内の二項目は要望に変えて、与えられた質問の時間内で終了。今回は、昨年の反省を踏まえて、質問内容を少なくして挑んだものの、今度は、30分以上も時間が余ってしまった■質問する時いつも、話すスピードが速すぎるので、ゆっくりと話すように心がけた。しかし、長年の癖でやはり早口になってしまった。今回で6回目の登壇だが、何回経験しても、緊張するし、思ったような満足のいくやり取りができなかった。ということで、質問が終わっても達成感は無く、反省することばかりだ。今回の質問内容は、市民サービスの確保をテーマに6項目について質問や提言を行った■内容は「復旧・復興に向けて国への予算要望の必要性と市長の姿勢」「災害対策としての具体的なハード・ソフト対策」「事業費15%・時間外35%削減の目的・内容等の確認と市民サービス低下の懸念の訴え」「介護に携わる人材の確保策の具体化」「保育の質の確保のための具体的な対策」等について、国の制度内容や現場の実態や市民の声等を伝えて、基本的な態度・方針等について答弁を求めた。答弁の中で、災害対策として評価すべき具体的な内容が二つ示された。ひとつは、「今後、各区役所に防災担当職員を配置」。もうひとつは「4月の1415日に防災訓練等の実施を検討」■今回の質問をするにあたって、10月末に名古屋市に視察に行ってきた。名古屋市は伊勢湾台風で多くの犠牲者を出して以降、昭和の時代から「市民総ぐるみ避難訓練」を実施してきた。また、各区や地域に防災担当の職員と地域の代表者も配置してきた。視察後に、事前の根回しとして熊本市の担当課に名古屋市の資料を渡して、名古屋市の先進的な取り組みを参考にして前向きな検討をお願いしてきた。今回の私の質問と提言で、「市民の安全安心を守る」ことや、「上質な生活都市くまもと」の実現に向けての取り組みが一歩進むことに、達成感は無くとも、少しだけではあるが喜びを感じているところだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年11月 | トップページ | 2017年1月 »