徒然日記 Vol 162
東南アジア視察研修報告 Vol 5 総合編
東南アジアシンガポールでの最後の夕食は、市内近隣のショッピングモール内にある味千ラーメン店でラーメンを食した。日本での味に比べると、少しさっぱりした味だったが美味しかった。多くの人が並んで待っていた。そして、旨そうにラーメンや餃子を食する人々の姿にびっくりもした。今やシンガポールでは、九州だけでなく全国のラーメン店が多く出店して、いずれも繁盛しているとのことだった。豚肉を食べないイスラム教徒以外の人たちが利用しているとのこと。とはいっても、イスラム教徒に課せられるハラールはマレーシアの国策として、この数年来、特に力を入れているものであり、インドネシアやシンガポールのイスラム教徒の中には、お酒を飲んだり豚肉も食べる人もいるとのことだ。インドネシアでは、厳格な教徒以外の人をナンチャッテハラールと言うらしい。マレーシアのハラール産業開発公社の人たちが聞いたら憤慨されるかもしれない話だが■夕食後、22時にはシンガポール空港へ向かい、夜中の1時20分発の飛行機で、福岡空港に向かった。6時間後福岡空港に、11時には熊本市役所に到着して、長かった視察が終了した。「海外視察はむだだ」との市民グループの指摘もあったが、今回の視察は私にとっては、今後の市政の在り方を考えさせられる機会となり、大いに参考となった。今後、視察で得た情報を整理し、今後の市政に反映できればと思っている。それぞれの国が、経済活性化策としての産業や観光や人材育成などに取り組んでいる姿を目の当たりにした。日本との大きな違いは、日本の経済は一定の成熟期を過ぎて、これから世界に先駆けて超高齢社会を迎える国であり、東南アジアは国民の平均年齢も若く、これからの発展途上国だ。いずれの国も日本と比べると、貧富の差も激しく、暮らしぶりも田舎に行くほど貧しい暮らしをしていることは、想像に難くない。貧しくても豊かな暮らしぶりなのかもしれないが。いずれは、その国の経済の発展が国民全体の豊かな暮らしを保障する時代が来ることを願うものだ■今回の視察で、改めて、「豊かさ」とは何だろうと考えさせられた。日本はバブルがはじけ、低賃金労働者が増加し、若い世代は結婚もできない状況。そして、多くの日本人が将来の不安を抱えての暮らしぶりで、消費が低迷している。一方、インドネシアの労働者の賃金は、日本の高度成長期時代と同じように上昇傾向にあり、その分が車やバイクや家電製品の購入などの消費に回り、内需が拡大している。しかし、いくら新品の車や家電製品に囲まれていても、インフラの整備や税を徴収するシステムが未構築となれば、消費することだけでの空回りの経済であり、本来の意味での「豊かさ」には程遠い。右肩上がりの時代は、いつか終わりを迎える、その時までにきちんとした政治が行われなければ、いずれ国は傾いていくのかもしれない。それでも、インドネシアの国策としての人づくりの取り組みに象徴されるように、近い将来には新しいインドネシア創生のために、日の目を見る時代が来るのだろう■日本の企業は、安上がりの労働力を求めて、世界の国々への経済面での侵略を続けている。共存共栄という言葉があるように、日本が日本だけのことを考える時代であっては、日本という国は滅んでいくことだろう。人を大事にしない政治が続いている。搾取という言葉をあまり聞かなくなったが、安い労働力を基にした経済の発展では、将来は社会全体が疲弊していくことは明らかだ。日本人だけでなく、外国人労働者への待遇改善も含めて、人を大事にする政治に切り替えないと大変だ。いずれ、外国人労働者に支えられる日本の姿も見えてくる。その時、外国のしっぺ返しとして日本が経済侵略される時代とならないように、熊本市としても、東南アジアとの共存共栄に向けて、しっかりと、その道筋をつけていかなければならない。
■シンガポール:味千ラーメン
クレヨンで絵を写す遊び場
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