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徒然日記 Vol 114

怖い時代になったと思う

幼い頃は、漫画やプロレスの影響を受けて、勧善懲悪の世界に生きてきた。しかし、大人になって、ただ単に善と悪の二者選択で割り切れない世界があることを知った。憎むべき犯罪であっても、単純な理由だけでなく、複雑な人間関係から、もしくは社会の収まりきれない屈折した狭間や軋轢などという背景から生まれることがあることを。そして、犯罪者の、許されない罪があることとの対岸に、誰しもが罪を犯すべく人間としての弱さがあることに。その事は、松本清張の作品や永山則夫の「無知の涙」に出会って、なお一層魂に吹き込まれた事実だ。そのことを思うときに、時折、議員という肩書きを抜きにして、一人の人間として、これが本当に正しいのかと、「あれっ?」と思う出来事がある■皆さんは岩手の県議会議員のブログ炎上事件と、その後の彼の自殺の話をご存知だろうか?あろうことか、県議会議員が、病院の受付で名前でなく番号で呼ばれたことに腹を立てて、理不尽だと病院のスタッフに噛み付いた。そして、そのことをブログに書き込み、読者に、さらにマスコミに非難されて公式に謝罪することになった。そして、数日後、彼は自殺してしまった。というお話。人の価値観は様々だ。岩手の県議会議員は、自分の価値観で病院側の対応の不備を指摘した。一般市民ならば自分の思いや考えを公表しただけで、ブログが炎上するようなことも起きなかっただろうし、ましてやマスコミにも取り上げられることもなかっただろう。しかし、彼は最近の病院のシステムを知らず、なおかつ県議会議員だった。私は、市議会議員だ。で、思うこと。議員も一人の人間ということ。議員だからと言って、志高く、高潔な方ばかりでなく、私のような平凡な一般ピープルの一人として市民の方々のために働いている者もいるのだ■不幸にも、世間の常識を知らない方が県議になってしまって、犯罪を犯したのではなく思ったことを世間に公表して、非難されて、自殺をしてしまった。ただそれだけのこと。しかし、自分自身に置き換えたときに、彼の軽率な言動に愚かさを感じると共に、同情を禁じえない。また、彼の死に対していたたまれない気持ちと痛ましさを感じてしまう。さらに、彼のブログに非難の文書を書き込んだ人々の行動やマスコミに対して、恐ろしさと違和感を感じてしまう。怖い時代になったと、つくづく思う。議員は、公務員は、なになには、「こうあらねばならないという社会」が創られてしまった。弱い者だけでなく、政治家という権力者に対しても、一定の価値観や型におさまらない者は排除される社会になってしまった■確かに議員たる者は、市民の代表者であるのだから良識を持っての言動が必要だ。しかし、私は同じ地方議員として彼の死を悼む。私は、あるべき議員として生きていくより前に、人間でありたいと思う。岩手の県議を誰も援護しない世の中は怖い。私も、議員という肩書きを取り去れば、一人の人間であり、間違いも犯す不完全な人間なのだ。しかし、自分が吐いた言葉には責任を持たなければならないし、間違っていたのならば反省をし、誰かを傷つけたのであれば誠意を持って謝罪もしなければならない。岩手の彼は、謝罪だけに終わらず、自分自身と社会に負けてしまった。反省と謝罪の後に、生きて自分を変えて、そして、社会を変えてほしかった。

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