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2013年7月

徒然日記 Vol 116

野菜の花に

私は、高森に木工の工房を持っている。工房といっても昔の納屋の一角に机をこしらえて、機械を並べているだけだ。工房とは別に、全て古い木造だが、母屋があって蔵もある。そして、畑もある。月に幾らかの賃料を払い、借りて4年になる■議員になって、高森に行く機会も少なくなったが、それでも時間を見つけて行くようにしている。工房での木工作品づくりに加えて、土を耕して、少しだけだが畑に野菜を育てている。そんな高森で過ごすひとときは、市内では味わえない、とても有意義で貴重な時間だ■先日も忙しい合間を縫って高森に行ってきた。畑にはトウモロコシやニガウリやトマトなどを植えている。土に触れて野菜を育てる喜びは、格別だ。キチンと土づくりをして水やりなどの管理をしていても、病気や虫にやられたりして大変だが、自分で育てて収穫して、いただく畑の野菜の味は最高だ■そして、もうひとつの楽しみは、育てて知る野菜の花の美しさだ。落花生や葉わさびを植えて、初めてその可憐な花たちを見ることができた。農家の方から言わせれば「ふん」と笑われるかもしれないが、私にとっては、落花生の小さな黄色い花が風に揺れるだけでも、感動してしまう。野菜の花だけの写真集もあるが、自分で育てたその場所で愛でる、野菜の花の美しさは何ものにも変えがたいものなのだ。

↓ 落花生の花     ↓ オクラの花

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徒然日記 Vol 115

驕りの政治が行われないように

7月21日に行われた参議院議員選挙はご存知のとおり、自民党を中心とした与党勢力の圧勝に終わった。今後、憲法改正や原発推進・消費税増税・TPP交渉等の動きが活発化することは必至だ。しかし、今回の選挙は最低の投票率。このことは、国民の政治不信の表れであり、政治への無関心と失望感の広がりが顕著になったということ■だからといって私たちは政治から目を背けてはいけない。国民の半数以上が望んでいない憲法改正や原発推進については、特にその動きを注視していかなければならない。今後、憲法改正のための発議要件緩和策から始まって、自衛隊の名称変更とその役割の強化策、そして徴兵制の議論等が行われかねない。正に戦争のできる国になってしまわないか心配だ■また、原発事故の処理や避難住民の保障や健康被害の調査も置き去りにしたまま、原発が推し進められないか気がかりだ。さらに、アベノミクスにより、金融政策やコンクリートの政策ばかりに重点が置かれ、人を大事にしない政治が行われるのではないのか、本当に私たちの暮らしが良くなっていくのか、不安だ■いつか見た、多数派与党の強行採決により法案を通していく国会の情景が目に浮かぶ。多数の論理で驕りの政治が行われないように、私たちは眼を凝らして、これからの政治を見つめていかなければならない。

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徒然日記 Vol 114

怖い時代になったと思う

幼い頃は、漫画やプロレスの影響を受けて、勧善懲悪の世界に生きてきた。しかし、大人になって、ただ単に善と悪の二者選択で割り切れない世界があることを知った。憎むべき犯罪であっても、単純な理由だけでなく、複雑な人間関係から、もしくは社会の収まりきれない屈折した狭間や軋轢などという背景から生まれることがあることを。そして、犯罪者の、許されない罪があることとの対岸に、誰しもが罪を犯すべく人間としての弱さがあることに。その事は、松本清張の作品や永山則夫の「無知の涙」に出会って、なお一層魂に吹き込まれた事実だ。そのことを思うときに、時折、議員という肩書きを抜きにして、一人の人間として、これが本当に正しいのかと、「あれっ?」と思う出来事がある■皆さんは岩手の県議会議員のブログ炎上事件と、その後の彼の自殺の話をご存知だろうか?あろうことか、県議会議員が、病院の受付で名前でなく番号で呼ばれたことに腹を立てて、理不尽だと病院のスタッフに噛み付いた。そして、そのことをブログに書き込み、読者に、さらにマスコミに非難されて公式に謝罪することになった。そして、数日後、彼は自殺してしまった。というお話。人の価値観は様々だ。岩手の県議会議員は、自分の価値観で病院側の対応の不備を指摘した。一般市民ならば自分の思いや考えを公表しただけで、ブログが炎上するようなことも起きなかっただろうし、ましてやマスコミにも取り上げられることもなかっただろう。しかし、彼は最近の病院のシステムを知らず、なおかつ県議会議員だった。私は、市議会議員だ。で、思うこと。議員も一人の人間ということ。議員だからと言って、志高く、高潔な方ばかりでなく、私のような平凡な一般ピープルの一人として市民の方々のために働いている者もいるのだ■不幸にも、世間の常識を知らない方が県議になってしまって、犯罪を犯したのではなく思ったことを世間に公表して、非難されて、自殺をしてしまった。ただそれだけのこと。しかし、自分自身に置き換えたときに、彼の軽率な言動に愚かさを感じると共に、同情を禁じえない。また、彼の死に対していたたまれない気持ちと痛ましさを感じてしまう。さらに、彼のブログに非難の文書を書き込んだ人々の行動やマスコミに対して、恐ろしさと違和感を感じてしまう。怖い時代になったと、つくづく思う。議員は、公務員は、なになには、「こうあらねばならないという社会」が創られてしまった。弱い者だけでなく、政治家という権力者に対しても、一定の価値観や型におさまらない者は排除される社会になってしまった■確かに議員たる者は、市民の代表者であるのだから良識を持っての言動が必要だ。しかし、私は同じ地方議員として彼の死を悼む。私は、あるべき議員として生きていくより前に、人間でありたいと思う。岩手の県議を誰も援護しない世の中は怖い。私も、議員という肩書きを取り去れば、一人の人間であり、間違いも犯す不完全な人間なのだ。しかし、自分が吐いた言葉には責任を持たなければならないし、間違っていたのならば反省をし、誰かを傷つけたのであれば誠意を持って謝罪もしなければならない。岩手の彼は、謝罪だけに終わらず、自分自身と社会に負けてしまった。反省と謝罪の後に、生きて自分を変えて、そして、社会を変えてほしかった。

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徒然日記 Vol 113

子どもたちの未来のために

 梅雨が明け、暑い夏がやって来た。いよいよ7月21日には参議院議員選挙が行われる。昨日の七夕の日には、夕方から地元の西聖一県議と共に、松野信夫候補の街頭演説や地元コミュニティーセンターでの個人演説会に応援のために参加した。街頭演説では、多くの方々が車の中から手を振ってくださった。演説会も日曜日の1930分開会にも関わらず、地元を中心に100人近くの方々の参加があり、松野候補の話を熱心に聴いていただいた。私も司会進行と応援の挨拶を行った。良識ある市民の方々の姿に手ごたえを感じた一日だった■しかし、マスコミの調査では、全国的に自民党を中心に与党勢力が大きく議席を伸ばすだろうとのこと。安部内閣の支持率も依然として高い位置にあり、マスコミも毎日のように選挙戦に加えて、「アベノミクス」関連の報道に終始している。先日、安部首相は「経済成長の暁には、10年後の国民総所得(GNI)が150万円アップする」と発表。しかし、私たちの暮らしは本当に良くなるのだろうか?アベノミクス効果で、株価は上昇しているが、一部の投資家や大企業だけが利益を得ているだけだ。円安の影響で多くの品物が値上がりし、私たちの暮らしは厳しさを増しているのが実感だ。アベノミクスは、実体の無い期待感だけでの経済対策であり、いずれ破綻するであろう■現在、日本という国には、年収200万円以下のワーキングプアと言われる人たちが1000万人以上。年間の自殺者が3万人近く。生活保護世帯数は157万世帯215万人。完全失業者数は291万人。東日本大震災と原発事故による被災者の避難者数は34万人超。ところが一方では、働く者に還元されない、270兆円といわれる大企業の内部留保金の存在。持てる者と持たざる者の格差は、確実に広がりつつある。今回の参議院選挙で与党が多数を占めることになれば、その格差はさらに増大するだろう■今後、憲法改正・原発再稼動・消費税増税と社会保障・TPP交渉などの動向も気がかりだ。今回の参議院議員選挙は、国と私たちの暮らしの将来のありようを決めるための大事な選挙。棄権は危険。私たち大人は、戦争の無い平和な日本を守るために、人を大切にする政治が行われ、私たちの暮らしを守るために、そして子どもたちの未来のために、必ず投票に行かなければならない。

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徒然日記 Vol 112

どうにも止まらない不祥事

 第二回定例会は、6月6日()から開催され73議案を可決・承認し、6月21()に閉会した。予算については、国の補正予算で創設された「地域の元気臨時交付金」を活用した経済対策など計742,093万円の予算を可決した。条例関係では、国の人件費分の地方交付税を削減しての、一方的な要請に応える形での、平均7.1%の職員の給与削減が決まった。6月6日の開会日、幸山市長は冒頭、横領事件などの職員の不祥事についての、お詫びと報告を行った。今後の対応として「管理監督責任の厳格化」「過去の不祥事の教訓を風化さない取り組み」「現金を取り扱わない仕組みの構築」の三つを柱とする改善方針を定め、適正な事務処理の徹底に努め、市政の信頼回復に向けて取り組んでいく決意を述べた。私が議員になって、今回の議会を含めて10回の定例議会が開催されたが、ほとんど毎回のように市長は不祥事の報告と謝罪を行っている■そして、議会閉会の一週間後には、またもや、中学校の先生が知人女性と酒を飲み、嫌がる女性にわいせつ行為を行ったことが判明し、懲戒免職となった。どうにも止まらない不祥事。市長は次回の9月議会で報告と謝罪を繰り返すことになる。公務員にとっての懲戒免職は、退職金も出ないし、再就職もままならず、社会的には何もかも失ってしまうことにもなりかねないほどの重みがある処分だ。処分する側にとっては死刑宣告に等しい厳罰規定であり、そのことを知っていて不祥事を行う者にとっては、ある意味、自殺を選択したことにもなる。今回の議会では、昨年に引き続き、不祥事の責任を取り、市長は7月の給与の一か月分、副市長は30%を削減することになった。私は、6月19日の予算決算員会の総括質疑で、会派(市民連合)の代表として、「職員給与の削減の条例に反対する質問」に加えて、「市長・副市長の給与削減の条例」について「不祥事が起きるたびに市長等の給与を削減しているが、その効果は上がっていないこと」を踏まえて疑義を訴えた■無くならない不祥事のひとつの原因として、「行政改革で人が減らされ、仕事量は増えて、職場内は悩みなどを分かち合う雰囲気も無くなりつつあること」さらに「続く不祥事で、職員同士が疑心暗鬼となり、連携・連帯ができなくなっていること」を指摘した。また、不祥事撲滅の対策として、第一に「現場の実態を把握すること」第二に「役付き職員だけでなく幅広く職員の意見を聞くこと」第三に「管理監督責任者を選任するための役付きの試験制度のあり方の見直し」などを指摘した。さらに、「人はほめられて伸びる。締め付けだけでは職員はやる気が出ない」ことも訴えた■これまでのやり方で、管理監督を強化し厳罰化に努めても不祥事は無くならないだろう。不祥事の起きる背景やシステム等を把握し、原因究明を行う必要がある。原因が分からなければ対策は立てられないのだから。まずは、市長自ら現場に行き、現場の実態を把握することから始めるべきだと思う。ありえないとは思うが、短絡的にヒステリックに、市職員の「自宅以外での飲酒禁止」や「管理監督者の給与削減」などの手法を取るのだけはやめてほしいものだ。

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