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徒然日記 Vol 110

あ~懐かしきカレー中華丼

 4歳になる孫の菜々美がある日、「カレー中華丼が食べたいな~」と言う。聞くと、私が作って一緒に食べたと答える。しかし、保育園の献立にもなく、我が家でも一度たりともメニューに上がっていない。たぶん、テレビかなんかで見聞きして、食べたものとして錯覚したのだろう。ともかく、リクエストに応えて、先日、カレー中華丼を作って食べさせた。美味しいと言って、おかわりまでして食べた■そんなカレー中華丼を一緒に食べながら、遠い昔を思い出した。様々な仕事をしながら、夜間の大学に通った。しかし、とにかく金が無かった。まとまったお金もあっただろうに・・・・。だから、あまりいい食生活ではなかった。毎日、パンとラーメンの日々が一週間以上も続くこともあった。よく、栄養失調にならなかったものだ。そんなある日、給料日ということもあり、授業をサボり、下宿屋近くの中華料理店に初めて入った■「カレー中華丼はありますか?」と聞くと、店主が「メニューにはないけど作ってみる」と言ってくれた。「カレー中華丼」。何気なく街角でお店のメニューだけ見かけて、一度も食べたことがなかった未知の食べ物。カレーも食べられて、野菜も食べられる、中華であり、洋食である、そして、中華でもなく、洋食でもない不思議なメニュー。初めてのカレー中華丼は美味かった。泣きたくなるほど美味かった■その後、カレー中華丼はその店の定番としてメニューに加わった。あれから、40年。あの店があった場所には、でっかいビルが建ち、今はもう無い。しかし、懐かしいあの味だけでなく、あの頃に出会った人たちとのことや、聴いた音楽や読んだ本など、大学時代にあった様々なことは、今でも身体のどこそこに、思い出として染み付いているものなのだ。いつの日か大きくなった菜々美が、私のことを思い出してくれるように、今夜も、カレー中華丼にしよう。

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