徒然日記 Vol 109
屋根死刑
先日、夕方いつもより早く帰宅すると、庭先で小学校三年生の孫とその友達の三人で遊んでいた。遊んでいたといっても、特定の遊びではなく、ただボールを投げたり、走り回ったり、しゃべったりしていた。そこで、私の時代に遊んだ、屋根死刑を教えた。それぞれのメンバーに番号を付けて、屋根にボールを投げるときに、その番号を叫び、呼ばれた番号の者が落ちてくるボールを捕るだけのゲームだ。ボールがうまく捕れずに落としたら×いち。×が三つで負け。負けた者は「死刑」となり、他のメンバーからボールをぶつけられることになる■孫たちは、しばらくは、楽しそうに遊んでいたが、10分ほどで飽きてしまい、最後には、ただのボールのぶつけ合いに変わっていた。僕らの時代は、10人ぐらいで工場の高い屋根にボールを投げ合い、日が暮れるまで汗にまみれて遊んだものだ。何回も死刑になり、ボールをぶつけられた痛さと悔しさで泣きそうになったことも何回もあった。今の時代、公園に行くと子どもたちはサッカーや鬼ごっこなどで嬉々として遊んでいる。けれど、時々数人が車座になってゲーム機で遊んでいるグループもいたりする。せっかくの天気のいい日の屋外で「ゲーム機とは」と思ってしまうが、これも今時の時代の風景だ■今は、僕らの時代にいた餓鬼大将がいなくなり、遊びも学年に応じて多様化し、異年齢同士の集団で遊ぶ姿が少なくなったように思う。僕らは、今は禁止されている「馬乗り」や「ひまわり」「釘刺し」「2B弾(爆発する花火)投げ」など、体や知恵や技をぶつけ合う、たくさんの危険な遊びを経験してきた。そして、その遊びを通して多くのことを学んだ。今の子どもたちは、「安全のために」という主旨で、木登りや水泳での飛び込みなども禁止されているという■私が孫たちに教えた「屋根死刑」などは、そのネーミングとボールをぶつけるという行為自体で、学校で遊べば大問題になるかもしれない。孫たちの姿を見ながら思う。この子達は危機に瀕した時に、怪我をせずに、大切な命を失うことなく、うまく生き残ることができるのだろうかと・・・。せめて、我が孫だけには、昔の遊びや、木登りや飛び込みなどの危険だと言われる遊びも体験させて、たくましく育ち、生きていく知恵や技を身につけてほしいと願うばかりだ。
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