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徒然日記 Vol 91

国敗れて山河なし

 「国敗れて山河あり」で始まる杜甫の詩がある。今回の東北大震災と原発の事故により、被災地では、戦争に匹敵するほどの犠牲者と被害を受けた。まさしく国が敗れ、秩序や機構が失われるほどの危機の中、懸命な復旧が行われた。しかし、復興までの道のりは未だ厳しい。そして山河は?山や川は、今でもそこにあるが、福島の土壌や水は汚染されてしまった。魚やそれを食べる鳥たちも・・・。いずれは、人間までも内部被爆の危険があるというではないか。自然が損なわれてしまった。「国敗れて山河なし」の有様だ■そんな危機的な状況の中、国民目線でのキチンとした対策や論議のないままに、国会は解散し、衆議院総選挙まで残り数日。マスコミの報道では、自民党の圧勝の予想が伝えられる。雨後の筍のようにいくつもの政党が乱立している、今回の選挙。しかし、ほとんどの政党が右に傾いている。テレビでは、自民党の政治家が「自衛隊は軍隊なんだ。だから憲法を改正しなければいけない」と叫んでいた■「核保有できる国にするべき」だとか「生活保護費の切り下げ」や「最低賃金制度の廃止」などを訴える政治家も。大変な時代になってきた。背中が寒くなるのは、私だけだろうか?日本は、かつて、国民の貧困と鬱屈した経済状況を背景に、戦争へ突き進んだ戦前と似たような状況になりつつある。私たち大人の責任として、二度と戦争をしてはいけないし、時間をかけて、原発ゼロの世界を創らなければならない■お風呂場から孫たちの楽しげな笑い声が聞こえてくる夜。そんな当たり前の生活が、いつまでもだれにでも何処ででも福島でも、続けられるようにしなければならない。そして、この国全体が損なわれないようにするために、今回の選挙では、なお一層心の目を凝らして、キチンとした政治家と政党を選ばなければならない。

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