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2012年6月

徒然日記 Vol 75

あ~あっ

  6月6日は、議会の一般質問の初日と息子夫婦の4回目の結婚記念日。そして、金星が太陽を通過する日だった。当日は、早朝から起きるつもりが寝坊してしまい、議会の昼休みにでも、金冠日食で使えなかった日食グラスで、金星の通過を観ようと思っていた■金星通過は、14時前まで、午後の議会開会は14時から。昼食が終わり、「さあ~観察に」と思っていたが、会議が始まった。そして、会議は13時過ぎに終わった。その後、突然の来客が二人あった。早くしないと金星が通り過ぎてしまう。二人目のお客さんに、「金星が太陽を通過するので、それでは」などとは言えないまま、時間は過ぎてしまった■この次に金星が太陽を横切るのは105年後。私を含めて、今、生きている人間のほとんどが生きてはいない。午後からの議会に、ため息をつきながら参加してきた。『たかだか太陽の表面を黒い金星の点がユックリと時間をかけて通過するだけのこと、それを見ることの意味なんて何も無いのだ・・・』などと、自分に、言い聞かせるのだが、納得はできない■若き頃に好きだと告白する機会を逃してしまい、過ぎてしまった片思いの日々。同じように「あ~あっ」と後悔の日々がしばらく続くのだ。

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徒然日記 Vol 74

たった一つの月を見てから

青豆が高速道路上で自殺してからの一ヶ月間の長かったこと。割り切れない、もどかしい思いを抱えたままの一ヶ月間だった。などと訴えても、ほとんどの方には意味不明だ。青豆とは、村上春樹氏の小説「1Q84」(イチキューハチヨン)に登場する女性だ。「1Q84」は 2009年から2010年に発表された長編小説だ。二年後の今年の3月から5月にかけて、単行本としてBOOK1からBOOK3まで各2冊ずつ6冊が順次出版された■しかし、BOOK2の後編4冊目の最終章で、青豆が自殺したと思しきストーリーの後のBOOK3の前・後編が発売される5月末まで、一ヶ月近く待つことになった。その間、「天吾に会えないままに青豆が死んでしまったらば話にならないだろうに、作者は一体何を考えているんだ」と、取り残された不満を抱えたまま、時間を見つけては古本屋に行き単行本を探した。村上春樹氏を好みそうな友人数人にも尋ねてみた。しかし、見つからなかった■結局、5月末にBOOK3の二冊を購入し、毎晩時間を見つけては、「1Q84」の世界に浸った。そして昨晩、最後の6冊目の最終章31章の手前の26章まで読み進んだところだ。翌日の朝、今、私の横にはその最後の本がある。ほんの一時間ほどで読破できる分量の文章だから、今から読み進めば完結する■しかし、月の出る日の夜まで待つことにした。夜空に、たった一つの月があることを確認してから読破することにした。この気持、「1Q84」を読んだ方の幾人かには、きっとわかってもらえるだろう。それにしても、これほど夢中に読ませる異世界を描ききる村上春樹氏には敬服するばかりだ。

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徒然日記 Vol 73

鉄砲に弾を込める

4月から新年度になり、至るところで総会が開かれ、来賓としていくつか参加して来た。そんな中、先日、阿蘇郡高森町でのNPO法人阿蘇フォークスクールの総会に一会員として参加して来た。総会後の交流会には、高森町の草村町長も参加し、交流を深めた。町長として多忙を極める中、2時間以上も会員の方々とじっくりと話をされていた。私も行政のあり方等について話をした。町長の話で印象に残ったのは、「これまでの町政はどちらかというとハード面の整備に力を入れてきた。今後は、将来のためにソフト面を強化しなければならない。特に、行政力としての組織力を高めなければならない。そのためには職員個々のスキルアップを図る必要がある」と話をされた■具体的な取り組みとしては、今年度から「県と高森町の職員のバーターでの派遣」「国や県や全国の自治体の動きを把握するために、主要な担当課への『官庁速報』の整備」など。官庁速報は、時事通信社が地方自治体向けに、毎日提供しているインターネットでの実務情報だ。町長の狙いは、職員が中央などの情報をいち早く取り入れ、町のための予算獲得や制度の改善等に役立ててもらいたい、というものだ。町長は「職員に、常に鉄砲に弾を込めて、いつでも発射できるようにしてもらいたいと思っているが、現状では鉄砲の使い方を知らない、知っていても弾が撃てない者もいる。例え弾を撃っても時期が遅かったりして的に当たらない」と言われた■私も、官庁速報の情報を常日頃から見て、将来を含めて役に立つ情報を整理し、委員会などでの発言にも活用している。政治は動いている。国や県は様々な取り組みを提起し、当初予算に加えて年度途中の補正予算を組んでいる。各自治体が手を上げて要求しなければ獲得できない予算もある。6月の熊本市議会では、6億5千万円の補正予算が提起された。その中で注目すべきは、3億5千50万円の「再生エネルギー等導入推進基金積立金」の基金の予算だ■熊本市として国に対して14億円の要求を(弾を込めて発射)して獲得した(的に当てた)予算だ。政令指定都市の20市中では、新潟市と熊本市に配分された。今後、推進会議を設置して来年度からの四カ年をかけての基金の使途について議論が行われる予定で、主に公共施設への太陽光発電パネルや蓄電池の設置費用となる見込みとのこと。議員としては、市町村長や自治体職員より以上に学習し、いつでも弾が撃てるようにシッカリと様々な情報を把握し、活用していかなければと思う。

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徒然日記 Vol 72

コンビニの夜

 ある夜の23時頃に煙草が切れてコンビニに自転車を走らせた。店の中にはレジ前で店員と世間話をしている高齢の女性が一人。女性は70代後半、店員は私と同年代の50代後半ほどの男性。私は、煙草を注文したいが二人の話は終わらない■私は、しばし店内をウロウロ。それでも話は続く。私がレジの前に立ち、やっと話が終わる。女性が「外で吸って帰ります」と言い、男性が優しく「どうぞごゆっくり」と返す。煙草を買って外に出ると、先ほどの女性が車止めのブロックに座り煙草に火をつけていた■その女性の小脇にはワンカートンの煙草の箱が・・。空には月、女性の煙草の煙が夜空に漂う。きっと一人暮らしの女性。人は一人で生まれ一人で死んでいく。しかし、生きている間は、例え家族がいなくても誰かと繋がって生きていく。夜空にたった一人で煙を吐き出す彼女にとっては、コンビニも、そのひとつの場所だろう■一緒に煙草をふかしたらば、どんな話が聞けただろう?心の中で「どうぞごゆっくり」と言ってペダルを漕いで帰った、コンビニの夜。ただそれだけのお話。

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