徒然日記 Vol 58
初登壇を終えて
12月6日の午後、市議会の初登壇を終えた。今回の質問は、テーマとして来年の政令市を迎えるにあたっての「課題とその問題点」について、働く仲間の現場や地域の実態を交えて、やり取りを行った。今回は初登壇ということもあり、事前に担当課とのやりとりを周到に行った。担当課の回答が気に入らず、内容の書き換えを要求し、いくつかの案件については前向きな答弁も引き出すことができたと思っている。質問は「日本一暮らしやすいくまもと」「公共の福祉を守るために」「障がい児に対する保育園・幼稚園の役割・機能強化」「東日本大震災被災家族の受け入れについて」「安全・安心のまちづくり」「市民サービスの地域間格差是正」の六点■特に、「公共の福祉を守るために」では、現状の人員・人材不足を理由に行政サービスが低下する懸念を指摘し、「土木や福祉行政に関わる専門的な知識と経験を有する職員の確保と育成を計画的に行うこと」を強く要望した。しかし、総務局長の答弁は「これまで定員管理計画に基づき、計画的に採用を行い、その育成に努めてきた」との回答だった。であれば、なぜ、毎年の新規の職員採用数が100人程度から今年度は300人以上となったのか?なぜ、土木の現場に業務引継ぎと職員の育成等を理由に、県から20名以上もの職員が二年間も必要とされるのか?その答えは、圧倒的に職員が不足しているからだ。熊本市は来年4月から政令市となり、5つの区に分かれて行政機能を果たさなければならない。市長は、「政令市になれば各区役所等を通して、より身近でより良い行政サービスが市民の方々に提供できる」と言っているが、それは真っ赤な嘘か、ただ単に実態を知らないのかもしれない。であればなお一層問題だが■4月以降、県から市に移譲される事務は300以上だ。執行部は「移譲される事務のほとんどは本庁で行なうので、区役所の事務は増えない」との回答。ところが、これまで本庁で行なっていた業務が区役所に任されることになり、その分、業務が増えるにも関わらず職員が減らされる部署もあるようだ。様々な情報から察するに、4月以降からの業務量に見合うべき職員の不足数は、特に必要とされる道路行政に関わる土木の現場の職員や、福祉や保健に関わる職員を合わせると100人近くにも及ぶ。市は、今年度300人以上の新採を採用した。しかし、退職者を差し引くと実質70人程度の増員ということだそうだ。その中で即戦力で働ける職員は幾人もいないだろう。実態を知っている職員は「絶対的に職員は不足している。しかし、今いる職員と新採職員と臨時・嘱託職員でがんばるしかない」と言う。市としては、公の場で「職員は不足してます」などとは口が裂けても言えないだろう■議会では、「市は政令市を見込んでの、専門的な知識と経験を持つ職員の採用と、これまでの育成を怠っていた」と指摘し、将来に向けての人員・人材確保策を訴えた。4月以降、区役所の混乱の日々の状況が目に浮かぶ。一階に配置された福祉に関わる担当の課長さん方は休むこともできずに、今にも倒れそう。窓口の職員は、市民の「なんばしよっとか~。区長ば出せ~」の罵声を浴びせられてパニックとなり、奥のほうでは職員が青い顔で右往左往している。市の実態を知れば知るほど、政令市の未来はけっして薔薇色ではなく、茨の道ということを実感する日々だ。初登壇に向けての質疑の内容の打ち合わせで、担当課とやり取りをしながら、つくづくそう思った。より良き行政サービスが提供できる熊本市であるように、頑張らねば。
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