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2010年7月

徒然日記 Vol 23

いつも夢を

ある日の夜のこと、連れ合いと二人で高森の校舎(工房)の横で飲んでいて、名古屋の大学時代の友人たちの話になった。懐かしさと酔いも手伝って北海道・神奈川・兵庫の三人の友人に電話した。みんな元気だった。大学は夜間に通い、昼間は働いた。私は、その時しかできないと思って、多くの仕事を体験することにした■今とは違って、いつも、何かしらの仕事があった。オートメーションの流れ作業でタイマーを組み立てる仕事に始まり、胡散臭い表札の訪問販売・バイクの車輪をメッキする工場の流れ作業・徹夜のオートバイの部品の穴あけ作業・建築現場でのツルハシでの土方・静岡の山奥でのボーリング作業の助手など。いずれも一ヶ月から半年ほどのアルバイトだった。一番長く働いたのが、デパートの地下にある中華料理店の調理補助の仕事だった。毎朝ジャンボ餃子を焼くのが私の仕事だ。必ず皮が破れたりする餃子がいくつかあり、それを朝食にしてパクついていた。昼休みには必ず、白衣を着たまま屋外の公園のベンチで昼寝をしていたものだ■しかし、いつも仕事をしていたはずなのに、なぜかいつもお金が無かった。四畳半の下宿屋には、ビールのコンテナを並べた上に布団を敷いたベッドとオーディオとコタツぐらいしかなかった。お金はいったい何に使ったのだろう?それにしても、あの頃を思い出すと、自分でもよくがんばったと褒めたいぐらいだ■その名古屋で今の連れ合いと知り合い、そして、生涯の友となる多くの男たちと出会った。19歳の春、駅まで見送ってくれた母やいとこの前で泣きながら名古屋に向かった日から37年が過ぎた。歳は取ったが、今でもあの頃と同じようにいつも夢を見ている。体は衰えたが青年の心を無くさずに生きていかなければと思う。

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徒然日記 Vol 22

さようなら学童の子等よ

  一身上の都合で、7月末日をもって学童を辞めることになった。8月からは古巣の県職員労働組合の嘱託の書記として新たな活動が始まる。学童に勤めて7月で1年と10ヶ月。我が人生でとても有意義で勉強になった学童の日々だった■同僚には二ヶ月前に伝えてあるし、次の職員も決まった。そして、子ども達には先日辞めることを伝えた。辞めるとなると寂しいものだ。わずか二年近くの付き合いだったが、子ども達の成長は著しい。自分の知っている遊びや知識を精一杯たくさん子ども達に教えてきたつもりだ。もっともっと関わって、子ども達の成長の手助けをしたかった■すぐにキレる子・甘ったれの子・泣き虫の子・わがままな子。いい子・悪い子・普通の子。私からゲンコツを貰った子・褒められた子・一緒に運動場を走った子・一緒にプールで泳いだ子。みんな一人ひとりの個性がキラキラと輝いている■いつの日か何処かで、お爺さんになった私と、大人になった子どもらと再会できればいいな。ありがとう、そしてさようなら学童の子ども達。

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徒然日記 Vol 21

終末を見据えて

どんなに忙しくても、就寝前には必ず本を読んでから眠るようにしている。本はもっぱら古本を購入。先日、久しぶりに本屋に立ち寄って、ふと手に取った文庫本の「八年後に小惑星が衝突し地球は滅亡する・・・・」のト書きに惹かれて伊坂幸太郎さんの「終末のルーフ」を買った。物語は、八年後に小惑星が衝突するという報道の後の人々の暴動や殺人や自殺などのパニックを経て、惑星衝突まで三年前の、平静を取り戻した仙台の団地に暮らす人々の姿が描かれている■惑星衝突を前に右往左往する人々。生きる目的を無くして死に急ぐ人々。惑星衝突とは関係なく、いずれ訪れる死を見つめて何事も無いかのように淡々と生きる人々。様々な生と死が描かれていた。アメリカ映画でブルース・ウィルス主演の「アルマゲドン」では、衝突間近の小惑星に主演のブルース・ウィルスが降り立ち核弾頭を埋め込み、死を賭して人類滅亡の危機から救うことができた■しかし、「週末のルーフ」にはそんなヒーローは登場しないし、結末は最後まで描かれていない。ただ、仙台の団地で暮らす、家族や子どもや女性などの日常が描かれているだけだ。実際、自分の余命があと何年と告げられたときには、私はどんな反応をするのだろうか?冷静に受け止めて、残りの人生を家族と共に有意義に過ごす事ができるのだろうか?きっと最後までじたばたと見苦しく生き恥をさらしつつ死を迎えるのかもしれない■誰にしも訪れる死。当たり前のことだが生はいつも死と隣り合わせなのだ。与えられた命はいつ尽きるのか分からないのだから、終末を見据えて一日一日を精一杯生きなければ。「終末のルーフ」を読んで、生きている事のありがたさを再認識することができた。伊坂さんに感謝。

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