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2009年11月

学童の日々 Vol 24

『ごめんね』「うんいいよ」

 Vol16で子どもたちの暴力について書いた。相変わらずすぐにキレて喧嘩をする子どももいるが、以前に比べると喧嘩の回数も減ってきたように思う。しかし、それでも日によっては子ども同士の喧嘩が始まる。昨日は職員間で「最近は落ち着いておりこうさんですよね」と話していた二年生のR君が、三回ほどキレて喧嘩をした■私は、その度に取っ組み合いの喧嘩になる前に子ども達の間に入って、それぞれの言い分を聞く。最初の喧嘩は、一年二年三年の三人の男の子の三つ巴の喧嘩。三人を連れて外に出て、それぞれの言い分を聞く。R君は泣きながら「僕は悪くない」と訴える。それぞれの言い分があり誰が悪いとも言えない状況。最初にR君に手を出した一年生のL君が「先生は誰が悪いと思うと?」と聞く。「先生はわからん。でも喧嘩をしたみんなが悪いんじゃ?」と答えた■三人はしばらく黙っていたが、私が「どうすると?まだ喧嘩すると?」と聞くと、三年生のK君が初めに「ごめんなさい」と言った。二人は「うんいいよ」と言った後に、それぞれにまた「ごめんなさい」。そして「うんいいよ」のやりとり■ただそれだけの「ごめんなさい」と「うんいいよ」のやりとり。そこにあるのは、謝罪と許し。私は心の中でなんとはなしに「ありがとう」と言って子ども達と部屋に入った。

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学童の日々 Vol 23

子ども達の好きなもの

 寒さが増すにつれて、新型インフルエンザにかかる子どもたちも増えて、小学校も学年閉鎖や学級閉鎖が広がっている。そのせいで学童に来る子どもたちも毎日少しずつ減りつつある。休んでいる子ども達には申し訳ないが、子ども達が少なくなった分だけ、私達にとってはゆとりが出来て、ゆっくりと遊んだり話をしたりする時間ができる■ある日の夕方に学童に残っている幾人かの子ども達をつかまえて、日頃から聞きたかったことを聞いてみた。私が聞いたのは今どきの小学生の好きなものってなんだろうということ。聞いた内容は歌手・テレビ番組・歌・本などだった。好きな歌手や歌は、性別や学年に関係なく圧倒的に「嵐」とその「歌」だった。好きな番組は、親御さんの影響もあってか、お笑いだったり、アニメだったり様々だった。その中でも、「スティッチ」が一番人気があるようだ。近頃見た映画で面白かったのは?という質問では、「パイレーツカリビアン」「崖の上のポニョ」「ポケモン」など。好きな本は、童話や漫画など多岐に渡っていた■いくつかの回答の中で面白かったのは、日頃おとなしい1年生の女の子が「嵐の桜井君が好き」と目を輝かせて答えてくれたこと。2年生の女の子が「テレビはニュースしか観ない」「好きな歌は青山テルマの『そばにいるね』」と答えてくれたこと。世の中は情報にあふれている。それに伴って価値観の多様化は子ども達の世界にも広がっている。僕らの世代が集まり昔のヒーローの話になると、きまって長嶋や力道山やハリマオや月光仮面などの名前が出てくる。情報としての漫画本やテレビの番組自体が限られていた分、今でもその時代を共有化できるわけだ■今どきの子ども達同士が数十年後に大人になって昔を語り合った時に、嵐やスティッチの話題が出るのだろうか?物と情報にあふれた今に生きる子ども達が羨ましいと思いつつも、何も無かったけれど夢だけはあったようなあの時代が懐かしい。

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