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北の空から/心癒されて Vol 12

続く災難、眠れぬ夜

 旅に出るとき皆に決まって言われたのが「事故・病気・怪我に用心を」だ。幸い51日間の旅で一度も事故も無く病気もすることなく過ごせた。しかし、怪我を二回、虫刺されが一回あった。その災難が二日間に集中してしまい、まいった■夕食の準備中に段ボール箱のどこかにあるはずの包丁を探していて、その包丁で右手人差し指の先をザックリと切ってしまった。翌日はその怪我にもめげず能登の港の堤防で魚釣りをした。7時過ぎから11時までに型のいいキスとクロとメバルが二匹ずつの釣果。一人旅の食材にはちょうどいいほどの量なのに、欲を出して更に釣っていたらば、釣り針が左手中指の爪の先に食い込んだ。「ウーッ」と痛みに堪えて針を抜く■その夜は、両手の指先が包丁と釣り針の傷でズキズキと痛む。更には釣り場で小さな虫に足首と腕を噛まれて、何十箇所も発疹ができた。痒くて痒くて、ほとんど眠れないままに朝を迎えた。後日わかったのだが、小さな虫は「ブ」(アブの子?)と言うらしい■釣りをしている時は、蚊よりも小さくて、腕や足にまとわりついても気にも留めていなかったのだが、その痒みは旅が終わるまで続いた。今更だが釣りをするのにサンダルに半袖は禁物だ。

アナタならどうした? 

茨城に住む大学時代の友人に30年振りに会った翌日の7月22()は、大阪の友人に会うために移動。一日では大阪まで行くことができず、その夜は、三重県の「関宿道の駅」に泊まることにした。夕食が終わり翌日の計画を立てている時、近くのベンチに坊主頭の中学生ぐらいの少年が、半ズボン・Tシャツ姿で横になっているのに気がついた。少年は、時々トイレに行ったり自転車に乗ったりして近くをウロウロしていた■誰かと待ち合わせかなと思っていたが、0時を過ぎてもそのベンチから動かない。『きっと家族の誰かとケンカでもして家を飛び出したのだろう。』と、気にはなったもののそのまま眠りについた。しかし、やはり気になって夜中の3時ごろベンチを見ると、彼は体を丸くして眠っていた。寒くはないが、夜風は体に良くない。洗ったばかりのシーツと枕代わりのバスタオルを持って外に出た■しかし、少年に何と声をかけてシーツとタオルを渡そうかと、タバコに火を付けて逡巡していた。『風邪ひくよ』『どうした?誰かとケンカでもしたん?』『ご飯食べてないだろう?』『家に帰ったら』等々■意を決して立ち上がったと同時に、少年はサッと起き上がり自転車に飛び乗り、夜の国道に走り去った。少年は、私の気配を感じていたのだ。きっと一睡もできずにベンチに横になっていたのだろう?私は、叱ることも、励ますことも、話を聞くことも、何もできなかった。アナタならどうした?

野の花 ジャガイモ・ルピナス・コウリンタンポポ・アザミ・ハマナス

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コメント

    アナタならどうした?

   わたしなら

 やはり気になるので「どうしたの?」と尋ねてみる(でしょう)。尋ねる側の性別、年代、声のトーンなどで相手の反応は微妙に違ってくる事でしょうね。
 彼はその日どんな思いを胸に抱え込んでいたのか私も気がかりです。少年のその若い骨もキュキュッと軋んでいたのかもしれず・・

投稿: 桜子 | 2008年4月 2日 (水) 05時48分

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