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2008年4月

北の空から/心癒されて Vol 13

すばらしき博物館/53万円あったなら

 熊本への帰り道の最後の探訪に、岡山県美作市の現代玩具博物館に行って来た。清流の流れる小さな町を抜けた山の中腹に、欧風のオシャレな建物が紫のアジサイの花に囲まれて建っていた■東京の友人が紹介してくれた家具職人の方が「玩具が好きならぜひ行ったらいい」と教えてくれた場所だ。3時間いたが時間が足りなかった。世界の玩具とオルゴールが展示されていた。色とりどりの近代的な玩具の中に混ざって、デッキブラシなどの廃材で作られた「めええ~」と音の出るヤギは素朴で飾りっけが無く、ひときわ存在感があった。オルゴールは30分間ほど色々な機種の音を目の前で聞かせてくれる■特に気に入ったのが、ゼンマイを巻いてスイッチを入れると、手の平に乗るほどの小さな箱から小指の先ほどの小鳥が出てきて、綺麗なさえずりに合わせて体を震わせ、羽を、尻尾を、そして嘴をも動かすのだ。時価53万円とのこと。一桁安ければ買えるのだが・・・■今でも、あの小鳥の姿とさえずりが忘れられない。いつの日か宝くじでも当たったら買おうかなと思っている。叶わぬ夢だけれども。

Photo 北の旅 花摘み 夢と持ち帰る

 51日間10000キロの旅を終えて、もうすぐ一年になろうとしている。あっという間の51日間だった。もしも、宗谷岬のその先に北行きの道路があったらば、私は未だ旅を続けていたかもしれない■今回の旅は、54年間生きてきた中で、一人旅の最長記録だった。ただひたすら北をめざして走り続けた。話し相手は誰もいなかったが淋しくはなかった。毎日の食事と眠る場所の確保を考え、好きな場所を探索しながら移動する日々。毎日が充実していた。そして私の心は癒された。目を閉じれば、今でも、懐かしい友人たちの笑顔や、綺麗な夕焼けや丘に咲く花々が見える。岩を砕く波の音や森を渡る鳥たちのさえずりが聞こえてくる。山に吹く風や海辺の潮の香りがする■しかし、帰り道はつらかった。夏真っ盛りの九州に近づくほどに現実に少しずつ引き戻される身体。夜中に汗にまみれて目が覚めるたびに、引き返したくなった。神戸を過ぎる頃に関東地方の梅雨が明けた。晴れ渡った青空にたったひとつの雲が飛んでいた。私の車の中にはすっかり枯れてしまった北の大地の野の花が揺れていた。そして私の胸の中には、これから始めようとする事柄のたくさんの夢が詰まっていた■あれから一年。夢が少しずつ芽を出してきた。いつの日か夢が叶い、花が咲く頃に、また旅に出よう。花を摘んでまた新しい夢を紡ぐために・・・。

今回で「北の空から/心癒されて」の旅のブログは終了します。ご愛読ありがとうございました。

次回からは、道中に作った俳句の特集です。

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北の空から/心癒されて Vol 12

続く災難、眠れぬ夜

 旅に出るとき皆に決まって言われたのが「事故・病気・怪我に用心を」だ。幸い51日間の旅で一度も事故も無く病気もすることなく過ごせた。しかし、怪我を二回、虫刺されが一回あった。その災難が二日間に集中してしまい、まいった■夕食の準備中に段ボール箱のどこかにあるはずの包丁を探していて、その包丁で右手人差し指の先をザックリと切ってしまった。翌日はその怪我にもめげず能登の港の堤防で魚釣りをした。7時過ぎから11時までに型のいいキスとクロとメバルが二匹ずつの釣果。一人旅の食材にはちょうどいいほどの量なのに、欲を出して更に釣っていたらば、釣り針が左手中指の爪の先に食い込んだ。「ウーッ」と痛みに堪えて針を抜く■その夜は、両手の指先が包丁と釣り針の傷でズキズキと痛む。更には釣り場で小さな虫に足首と腕を噛まれて、何十箇所も発疹ができた。痒くて痒くて、ほとんど眠れないままに朝を迎えた。後日わかったのだが、小さな虫は「ブ」(アブの子?)と言うらしい■釣りをしている時は、蚊よりも小さくて、腕や足にまとわりついても気にも留めていなかったのだが、その痒みは旅が終わるまで続いた。今更だが釣りをするのにサンダルに半袖は禁物だ。

アナタならどうした? 

茨城に住む大学時代の友人に30年振りに会った翌日の7月22()は、大阪の友人に会うために移動。一日では大阪まで行くことができず、その夜は、三重県の「関宿道の駅」に泊まることにした。夕食が終わり翌日の計画を立てている時、近くのベンチに坊主頭の中学生ぐらいの少年が、半ズボン・Tシャツ姿で横になっているのに気がついた。少年は、時々トイレに行ったり自転車に乗ったりして近くをウロウロしていた■誰かと待ち合わせかなと思っていたが、0時を過ぎてもそのベンチから動かない。『きっと家族の誰かとケンカでもして家を飛び出したのだろう。』と、気にはなったもののそのまま眠りについた。しかし、やはり気になって夜中の3時ごろベンチを見ると、彼は体を丸くして眠っていた。寒くはないが、夜風は体に良くない。洗ったばかりのシーツと枕代わりのバスタオルを持って外に出た■しかし、少年に何と声をかけてシーツとタオルを渡そうかと、タバコに火を付けて逡巡していた。『風邪ひくよ』『どうした?誰かとケンカでもしたん?』『ご飯食べてないだろう?』『家に帰ったら』等々■意を決して立ち上がったと同時に、少年はサッと起き上がり自転車に飛び乗り、夜の国道に走り去った。少年は、私の気配を感じていたのだ。きっと一睡もできずにベンチに横になっていたのだろう?私は、叱ることも、励ますことも、話を聞くことも、何もできなかった。アナタならどうした?

野の花 ジャガイモ・ルピナス・コウリンタンポポ・アザミ・ハマナス

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