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北の空から/心癒されて Vol 1

はじめに

 憧れの北海道を中心に0766日から726日までの51日間、数年前に生産中止となった中古のトヨタデリボーイに、手作りのベッドや調理器具など家財道具一式を積み一人旅に出た。旅の目的は、①働き過ぎで疲れきったココロの洗濯②将来の「木こり屋」工房設立のための木工房中心のクラフト関連施設の探訪③友人知人への退職の挨拶④「株式会社ひまわりらいふ」の営業だ。走行距離は10,798キロ。

 行きの行程は、神戸の友人・静岡の友人・埼玉の弟・神奈川の従兄弟に会い、泊めてもらった。そして、岐阜関市の刃物探訪・石川県金沢市での大学時代の行方知れずの友人探し(見つからず)の後、東北の西海岸を北上し、6月22日から7月16日までの25日間、あこがれの北海道を旅した。北海道では、岩内町に住む友人に3年ぶりに会い、その後は勝手気ままに小樽・旭川・紋別・宗谷・知床・美瑛・釧路・ニセコなどの観光地や木工房などを回ってきた。帰り道は、埼玉の弟宅・神奈川の従兄弟宅から、東京・茨城・大阪・神戸の中学・高校・大学時代の友人たちと再会し、毎晩のように飲み方が続いた。

 この51日間を数字で見ると。再会した親戚、友人、知人17人・話をした人22人・入った温泉18箇所・泊まったキャンプ場8箇所・泊まった道の駅25箇所・作った食事112食(残り18食は友人宅や外食)・怪我2回・拾った流木約100本・出会った生き物:キタキツネ8匹、鹿9頭、若鷹1羽、オコジョ1匹、リス1匹、牛・馬・羊・かもめ・海鵜などたくさん。釣った魚は、オショロコマ25・ヤマメ8・ニジマス8・キス2・クロ2・ガラカブ5・メバル2。感動した景色は「利尻の沖に沈む夕日」「知床の川で遊ぶカモメたち」「中富良野町ファーマー冨田の花畑」「風に揺れる紫のジャガイモの花畑」「霧が晴れた摩周湖」などだ。

 今回はそんな旅の道中で感じたこと見てきたことなどを、徒然なるままに書いてみた。読者の方々に私の感動が少しでも伝わり、私の心が癒された分の少しでも癒されれば幸いだ。

極楽地獄温泉ヌプントムラウシ  

 北海道でのお風呂は500円以下の温泉と決めていた。北海道には25日間滞在し、10箇所の温泉に入った。それこそ大自然の中での無料の温泉から銭湯に毛が生えたような所から500円では安すぎるような所にも行ってきた。その中でも忘れられないのがヌプントムラウシの温泉だ■この場所は、道の駅で知り合った東京から来ていた82歳の男性(60代の頃から北海道12回目)が、「北海道で一番好きな場所はヌプントムラウシだ。景色がいい、岩魚も入れ食いだし、温泉もいい」と教えてくれた。その温泉は、帯広の北の新得町からさらに北へ30キロの所にある。目的地の15キロほど手前にある橋から右に入ると舗装は無くなり、デコボコ道で車は離合するのがやっとの細い道となる。わずか15キロだが雨も降りあまりの悪路のために一時間かかった■昼前に辿り着いた温泉は、幅10メートルほどの川のほとりに小さな小屋と3メートル四方ほどの湯舟があるだけ。近くでキャンプをしていた青年に「温泉に入った?」と聞くと「入ったけど温泉のバルブが締めてあるのか、とてもぬるいですよ」の返事。その日は風が吹き小雨がぱらつき、気温も10数度。しかし、湯舟に手を入れると体温よりは熱い。源泉は湯舟のすぐ近くの崖にあり、直径一メートルほどの穴から7~8分おきにお湯も噴き出している。一時間も入ればきっと温まるだろうと意を決して裸になった■しかし、なかなか体は温まらない。間欠泉のお湯がシューゴボッゴボッというたびに、しばらくして湯舟にチョロチョロと洗面器一杯程度の100度近い湯が流れてくる。そのお湯をゆっくりと混ぜながら体全体に馴染ませる。「あー極楽極楽」。しかし、チョロチョロが途切れてからの7分間は、寒い!震えるほどに寒いのだ。ポカポカの極楽と震えるほどに寒い地獄の繰り返しの中、一時間近く湯船に入っていたが、とうとう体は温まることなく、震えながら服を着て温泉を出た。帰り道に青年が「どうでした?」と聞く。「いや~最後まで温まらなかった」と言うと、「やっぱり」の返事。ヌプントムラウシ温泉は夏に入るべし。

  ←ヌプントムラウシ温泉 手前には着替え用の小屋がある。

心洗われて

 美しいものを美しいと感じる感性は誰にでもある。しかし、忙しさにかまけているとその感性も損なわれてしまう。北海道に渡ってから、少しずつその感性が復活してきた。道路に咲く花々や雲が降り立つ山々の景色に見とれてしまう。深緑の森から流れ来る朝の風の匂いや小鳥のさえずりに五感が満たされていく。大自然は疲れきった人の心を癒してくれる■友人の一人が「北海道に行くんだったら、礼文島に渡って夕陽を見てくるといい」と言っていた。その日は礼文島に渡るべく稚内をめざして北海道の西海岸を走っていた。しかし、出発が遅れてしまい、途中で夕陽が西の空に落ちていく。道には電柱も店も看板も無く、北に向かって走る車の右側はまさしく原野で、九州の高原の景色だ■そして左側は真っ青な海。オレンジの夕陽が空を赤く染めて海の向こうに少しずつ沈んでいく。車を停めて、海岸に立った。夕陽は礼文島の彼方に沈んでいく。聞こえるのは波と風の音だけ。遥か彼方の夕陽の赤が足元の海面まで真っ直ぐに映している。荘厳なる美しさに私は言葉もなく泣いていた■その時肩の力がスーッと抜けていった。ココロが洗われた瞬間だった。

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